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うちの子・発達障害? 〜偏見、受診の壁に〜
毎日新聞より
[うちの子・発達障害? 〜偏見、受診の壁に〜]
◇問題への認識 教員、家族でズレ
「ささいなことで友達をぶつ」
「保育園を飛び出してしまう」
東京都内の小4男児(9)は、2歳前後で保育士から問題行動
を指摘されるようになった。
■しつけの問題?
「しつけの問題」「愛情不足かも」。
保育士に言われ、母親(39)はしかったり、家庭で触れ合う
時間を増やした。
だが、園での振る舞いは変わらない。家では活発に動き回るが、
問題児と思えなかったという。
「園と家の行動が違っていたのだろうが、保育園の認識と
ズレがあり不信感が募った」と母親は振り返る。
親や保育士からしかられ続けた男児は、おどおどしたり、
パニックを起こして暴れることもあった。
注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されたのは小学1年の時。
「今でも時々、怒られている風景がよみがえる」と男児。
母親は「『もしかして』という視点を持てたら、もっと早く
障害が分かったかも」と話す。
■集団の中で発見
子どもが集団生活を送る幼稚園や保育園は、自閉症やアスペル
ガー症候群、ADHDなどの発達障害に気づきやすい。
特に知的な遅れがない場合、ほかの子とかかわる中で「違い」
が見えてくる。
研修などが行われているが、知識不足から発見が遅れたり、
気づいても親に伝えづらいと悩む教員、保育士もいる。
対応を工夫する園も出始めた。
横浜市の港南台幼稚園は、2年前にスクールカウンセラー
(SC)を導入。
専門的な視点から子どもの発達を観察してもらい、保護者の
相談にものる。
「幼児期特有の行動なのか、早期から対応する必要があるのか、
SC導入前は見極めが難しかった。
今は教師も保護者も気軽に相談でき、子どもへの理解が深め
られる」とレーポー智子園長。
同園のSC、山下直樹さんは「子ども自身が一番困っていると
認識して、親や教師が接し方を変えると、子どもも少しずつ
集団生活になじむ」と話す。
■悩む親
「保健師は医師の受診を勧めるが、夫や夫の両親は『必要ない』
と反対する。一体どうすればいいのか……」
国立精神・神経センター武蔵病院の佐々木征行・小児神経科
医師のもとに、ある母親から届いたメール。
幼稚園児の息子が同世代の子と口をきかず、不安な気持ちを
切々と訴えていた。
保健師や保育士に指摘されても、我が子が障害者と呼ばれる
ことを拒み、受け入れに時間がかかる場合は多い。
母親が気づいても、他の家族が理解しないこともある。
佐々木医師は「誰にも言えずに悩んでいる親は多い」とみる。
5年程悩んだ末、子どもを受診させた母親が、「育て方が悪い
と思っていたが、障害と分かりかえってほっとした」と漏ら
したこともあるという。
偏見も残る。日本自閉症協会が昨年、市民6,000人を対象に
行ったアンケート(回収率43%)では、自閉症の原因を
「脳機能障害」と正しく認識していたのは女性7割、男性
6割弱。
2割以上が誤って「心の病」と答えた。
また、「自分の子が自閉症児と一緒に遊ぶことをどう思うか」
の問いには「不安」と回答した人も1割近くいる。
同協会の石井哲夫会長は「一時、凶悪事件の加害者に発達障害
があったという報道が目立った。障害そのものが原因ではない
のだが、誤解している人もいるようだ」と話す。
厚生労働省精神・障害保健課の日詰正文・発達障害対策専門官
は「早期発見は、偏見をなくすことと合わせて進めることが
必要」と指摘。
同省は今年度中に、啓発や情報発信を行う「発達障害情報
センター」(仮称)を設置する予定だ。【反橋希美】
==============
◇障害児教育、遅れる幼稚園の対応
今年4月、学校教育法の改正ですべての幼稚園・小中学校・
高校に対し、障害児一人一人に応じて適切な教育を行う「特別
支援教育」が義務づけられた。
文部科学省は障害を持つ子どもの実態把握と支援策を検討する
「校内委員会」の設置を求めているが、設置率は小中学校が
90%を超えるのに対し幼稚園はわずか33%(06年9月現在)。
専門家が発達障害を持った子どもの指導法などを助言する巡回
相談は約6割の幼稚園で行われているが、専門家が常勤する
相談室や支援教室を設置している幼稚園は極めて少数だ。
また、保育園は、そうした支援体制についての状況調査も実施
されていない。
[出典]毎日新聞 2007年9月9日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/wadai/news/20070909ddm013100165000c.html
[うちの子・発達障害? 〜偏見、受診の壁に〜]
◇問題への認識 教員、家族でズレ
「ささいなことで友達をぶつ」
「保育園を飛び出してしまう」
東京都内の小4男児(9)は、2歳前後で保育士から問題行動
を指摘されるようになった。
■しつけの問題?
「しつけの問題」「愛情不足かも」。
保育士に言われ、母親(39)はしかったり、家庭で触れ合う
時間を増やした。
だが、園での振る舞いは変わらない。家では活発に動き回るが、
問題児と思えなかったという。
「園と家の行動が違っていたのだろうが、保育園の認識と
ズレがあり不信感が募った」と母親は振り返る。
親や保育士からしかられ続けた男児は、おどおどしたり、
パニックを起こして暴れることもあった。
注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断されたのは小学1年の時。
「今でも時々、怒られている風景がよみがえる」と男児。
母親は「『もしかして』という視点を持てたら、もっと早く
障害が分かったかも」と話す。
■集団の中で発見
子どもが集団生活を送る幼稚園や保育園は、自閉症やアスペル
ガー症候群、ADHDなどの発達障害に気づきやすい。
特に知的な遅れがない場合、ほかの子とかかわる中で「違い」
が見えてくる。
研修などが行われているが、知識不足から発見が遅れたり、
気づいても親に伝えづらいと悩む教員、保育士もいる。
対応を工夫する園も出始めた。
横浜市の港南台幼稚園は、2年前にスクールカウンセラー
(SC)を導入。
専門的な視点から子どもの発達を観察してもらい、保護者の
相談にものる。
「幼児期特有の行動なのか、早期から対応する必要があるのか、
SC導入前は見極めが難しかった。
今は教師も保護者も気軽に相談でき、子どもへの理解が深め
られる」とレーポー智子園長。
同園のSC、山下直樹さんは「子ども自身が一番困っていると
認識して、親や教師が接し方を変えると、子どもも少しずつ
集団生活になじむ」と話す。
■悩む親
「保健師は医師の受診を勧めるが、夫や夫の両親は『必要ない』
と反対する。一体どうすればいいのか……」
国立精神・神経センター武蔵病院の佐々木征行・小児神経科
医師のもとに、ある母親から届いたメール。
幼稚園児の息子が同世代の子と口をきかず、不安な気持ちを
切々と訴えていた。
保健師や保育士に指摘されても、我が子が障害者と呼ばれる
ことを拒み、受け入れに時間がかかる場合は多い。
母親が気づいても、他の家族が理解しないこともある。
佐々木医師は「誰にも言えずに悩んでいる親は多い」とみる。
5年程悩んだ末、子どもを受診させた母親が、「育て方が悪い
と思っていたが、障害と分かりかえってほっとした」と漏ら
したこともあるという。
偏見も残る。日本自閉症協会が昨年、市民6,000人を対象に
行ったアンケート(回収率43%)では、自閉症の原因を
「脳機能障害」と正しく認識していたのは女性7割、男性
6割弱。
2割以上が誤って「心の病」と答えた。
また、「自分の子が自閉症児と一緒に遊ぶことをどう思うか」
の問いには「不安」と回答した人も1割近くいる。
同協会の石井哲夫会長は「一時、凶悪事件の加害者に発達障害
があったという報道が目立った。障害そのものが原因ではない
のだが、誤解している人もいるようだ」と話す。
厚生労働省精神・障害保健課の日詰正文・発達障害対策専門官
は「早期発見は、偏見をなくすことと合わせて進めることが
必要」と指摘。
同省は今年度中に、啓発や情報発信を行う「発達障害情報
センター」(仮称)を設置する予定だ。【反橋希美】
==============
◇障害児教育、遅れる幼稚園の対応
今年4月、学校教育法の改正ですべての幼稚園・小中学校・
高校に対し、障害児一人一人に応じて適切な教育を行う「特別
支援教育」が義務づけられた。
文部科学省は障害を持つ子どもの実態把握と支援策を検討する
「校内委員会」の設置を求めているが、設置率は小中学校が
90%を超えるのに対し幼稚園はわずか33%(06年9月現在)。
専門家が発達障害を持った子どもの指導法などを助言する巡回
相談は約6割の幼稚園で行われているが、専門家が常勤する
相談室や支援教室を設置している幼稚園は極めて少数だ。
また、保育園は、そうした支援体制についての状況調査も実施
されていない。
[出典]毎日新聞 2007年9月9日 東京朝刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/wadai/news/20070909ddm013100165000c.html


